お仕事求人コラム

2025年07月15日
医療事務とは?病院を支える縁の下の力持ちを徹底解説!
職種について

病院やクリニックを受診した際、最初に窓口で対応してくれるのが医療事務の方々です。
診察室での医師や看護師の活躍はもちろんですが、医療機関が円滑に運営されるためには、医療事務の存在が不可欠です。
しかし、その具体的な仕事内容や、必要な資格、どこで働いているのかについては意外と知られていないのではないでしょうか。
この記事では、医療事務の仕事について、その役割から具体的な業務内容、給料、そして資格の必要性や主な勤務先まで、幅広く解説していきます。

1. 医療事務とは?
医療事務とは、病院やクリニック、調剤薬局などの医療機関において、受付業務、会計業務、診療報酬請求業務(レセプト作成)などを行う事務職の総称です。
患者さんが安心して医療を受けられるようにサポートし、医療機関の経営を支える重要な役割を担っています。
単なる事務作業にとどまらず、医療制度や診療内容に関する専門知識が求められる点が特徴です。

2. 医療事務の仕事内容
医療事務の仕事内容は多岐にわたりますが、主に以下の3つの主要な業務に分けられます。

1)受付・会計業務
患者さんが医療機関を訪れた際に、最初と最後に接するのが受付・会計業務です。
■受付業務:
患者さんの来院時の対応を行います。具体的には、初診・再診の確認、保険証の有効期限や内容の確認、問診票の記入案内、診察券の発行、診察室への案内、待ち時間の目安の伝達などを行います。患者さんが安心してスムーズに診察を受けられるよう、丁寧な対応が求められます。
■会計業務:
診察や処置が終了した後、患者さんから医療費をいただく業務です。診察や処置の内容に基づき、医療費を正確に計算し、患者さんに請求します。支払いを受け取り、領収書を発行するほか、必要に応じて次回の診察や検査の予約受付も行います。

2)レセプト業務(診療報酬請求業務)
医療事務の業務の中でも、最も専門性が高く、医療機関の経営に直結する重要な業務が診療報酬請求業務、通称「レセプト業務」です。
■レプセトの作成:
患者さんが受けた医療行為や処方された薬剤などを、国が定める「診療報酬点数」に基づいて計算し、「診療報酬明細書(レセプト)」を作成します。これは、医療機関が健康保険組合や市町村といった審査支払機関に医療費を請求するための書類であり、正確性が非常に重要です。
■レプセトの点検・提出:
作成したレセプトに記載漏れや誤りがないか厳しく点検し、毎月決まった期日までに審査支払機関に提出します。レセプトに不備があると、医療機関は適切に診療報酬を受け取れない可能性があるため、細心の注意を払う必要があります。

3)クラーク業務
クラーク業務は、医療機関の種類や規模によってその内容が異なりますが、主に医師や看護師といった医療従事者の業務をサポートする役割を担います。
■病棟クラーク:
入院患者がいる病院で、入院手続きや病室の案内、検査の予約、食事伝票の作成、退院時の手続き補助などを行います。医師や看護師が診療に専念できるよう、事務的なサポートを通じて円滑な病棟運営に貢献します。
■外来クラーク:
外来患者が多い医療機関で、診察室の準備、患者さんの呼び出し、検査室への案内、カルテの準備や整理、診断書の作成補助などを行います。医師の指示を受けて書類作成を補助することもあります。

3. 医療事務の給料とメリット
医療事務の給料は、雇用形態や勤務地、経験などによって変動しますが、2025年5月(全国)のデータによると、医療・介護系の医療事務における平均年収は481.4万円となっています。
これは、オフィスワーク系の代表的な職種である一般事務の平均年収529.6万円と比較するとやや低い水準になっています。理由としては、業務内容がルーチンワーク中心であるため、給与上昇の幅は狭い傾向と医療事務は非営利や公的医療機関でも雇用されやすく、営利企業の一般事務と比べて給与水準が低めに設定されているケースがあるためです。
しかし、医療事務は専門知識が求められる専門職
であり、医療機関という安定した職場での勤務となるため、景気変動の影響を受けにくいという特徴があります。
また、資格の取得や実務経験を積むことで、給与アップやキャリアアップを目指せる可能性も十分にあり、医療現場を支えるやりがいや、安定性を重視する方にとっては魅力的な給与水準と言えるでしょう。
出典:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト)

◆医療事務で働くメリット
①安定性が高い: 病院やクリニックは景気の影響を受けにくい業界なので、不況でも仕事がなくなりにくいのは大きな強みとなります。
②全国どこでも仕事がある:医療機関は全国どこにでもあるため、引っ越しても再就職しやすく、家庭の事情で転居しても続けられる職種です。
③年齢に左右されにくい:医療事務は20代〜50代、幅広い年齢層が活躍しており、再就職やパート勤務にも適しており、主婦層にも人気です。
④医療の知識が身につく:保険制度や医療費、病気・診療科の基礎知識などが自然と学べます。家族の通院や介護などに役立つことも多い。
⑤働き方の選択肢が豊富:正社員だけでなく、パート・派遣などライフスタイルに合った勤務形態が選びやすいです。子育てや介護と両立しやすい環境も多いです。
これらのメリットから、医療事務は長く安定して働きたい方にとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。

4. 資格は必要?医療事務に求められるスキル
医療事務として働く上で、必須となる公的な資格はありません。しかし、多くの医療機関では、医療事務に関する専門知識やスキルを持つ人材を求めているため、未経験の場合、関連する民間資格を取得することが就職・転職に有利に働くことがあります。

◆取得すると有利な主な資格
■医療事務技能審査試験(メディカルクラーク): 医療事務の代表的な資格で、実務能力を証明するものです。
■医療事務管理士技能認定試験: 医療事務の知識と技能を総合的に評価する資格です。
これらの資格は、他の医療事務に関する資格に比べ、比較的取得しやすく、医療事務としての専門性を高め、就職後のミスマッチを防ぐためにも有効です。

◇医療事務に求められるスキル
資格の有無に関わらず、医療事務の仕事には以下のようなスキルが求められます。
□コミュニケーション能力: 患者さんと接する機会が多いため、丁寧な言葉遣いや分かりやすい説明ができるコミュニケーション能力は不可欠です。
□正確性、丁寧さ: 診療報酬の計算やレセプト作成は、金額に関わる重要な業務であり、正確性が求められます。また、患者さんの情報を取り扱うため、丁寧な作業が重要です。
□PCスキル: 電子カルテの操作やレセプト作成ソフトの利用など、基本的なPC操作スキルは必須です

5. 医療事務の勤務先
医療事務が活躍できる勤務先は多岐にわたります。主な勤務先としては以下のものが挙げられます。
• 総合病院、大学病院: 規模が大きく、診療科目が多いため、様々な症例に触れる機会があります。業務も細分化されていることが多いです。
• クリニック(診療所): 地域に密着した医療機関で、患者さんとの距離が近く、アットホームな雰囲気の職場が多いです。受付から会計まで幅広い業務を担当することが多いです。
• 調剤薬局:処方箋の受付や薬剤費の計算、レセプト作成などを行います。

このように、医療事務は病院の種類や規模によって働き方が異なるため、全国どこにでも存在する医療機関の中から、自身のライフスタイルや希望に合った職場を見つけやすいのが大きな特徴です。
引っ越しなどで居住地が変わっても、比較的仕事を見つけやすい職種と言えるでしょう。

6. まとめ
医療事務は、医療機関の円滑な運営に欠かせない存在です。
その業務は多岐にわたり、受付・会計業務、医療機関の収入を支える専門的なレセプト業務、そして医師や看護師をサポートするクラーク業務などがあります。
医療事務として働く上で、必須の公的な資格はありません。しかし、未経験から就職を目指すなら、民間資格を取得すると有利です。
また、患者さんと接する機会が多いため、コミュニケーション能力や正確性、PCスキルも求められます。
勤務先は総合病院からクリニック、調剤薬局までと幅広く、全国どこにでも医療機関があるため、自分のライフスタイルに合った働き方を見つけやすいのが大きな魅力です。
医療現場を支え、安定した環境で長く働きたい方にとって、医療事務は非常に魅力的な職種と言えるでしょう。

ドムでは給与水準の高い医療事務の求人も取り扱っております。ご興味を持たれた方は是非一度ドムの求人サイトを覗いてみてください。
医療事務関連の求人検索は▶こちらから◀

医療機関で働きたい方にとって、他職種の業務内容を知ることは、自身の仕事の視野を広げる上で役立ちます。
特に看護師の皆さんの働き方やストレス対策については、ふじのくに静岡看護求人ナビをご覧ください。
関連記事:看護師のストレスへの対処法は?アンケート結果公開!│外部リンク